ぶらりパスネットの旅 うまいうますぎる十万石饅頭篇(3/3)

(↑上の日付は旅行日を示しています)
2001/4/12 初版作成

【いろんな肩書きのある街 行田】

行田市駅その1 行田市駅その2

秩父鉄道 行田市駅。駅名看板の文字が渋〜!!

行田市駅に到着。羽生でやんだと思った雪がまた降ってきた。ところでそもそもなぜ行田までやってきているのか。

2/11の旅で埼玉高速鉄道がパスネットを導入すると知った時、自動的に次の旅先は埼玉県と決定した。埼玉といって髣髴するもの、それは「十万石まんじゅう」だ。埼玉県民なら誰もが知るという「うまい、うますぎる」のCM。埼玉高速鉄道がどこを走る路線か(当時は)知らないが、埼玉へ行ったら土産は十万石まんじゅうしかない、と心に決めていた。ただこの時は、埼玉へ行けばどこでも買えるだろうと気楽に考えていた。でも3/28の埼玉高速鉄道開業を待つ間「どうせ行くなら本店へ行くしかあるまい」と考えるようになってしまった。十万石本店は埼玉県行田市の行田市駅近くにあるという。埼玉高速鉄道と行田市駅が猛烈に離れた場所にあることはこの際問題ではない。埼玉へ行ったなら十万石本店へ赴き、自らのこの手で十万石まんじゅうを買うことが、埼玉県に敬意を表する証なのだ。


それが本当に敬意を表せているのかはさておき、到着してまず行田市駅前の様子を伺うと、目の前に記念碑らしき時計台がそびえ立っていた。


埼玉県名発祥の地その1

埼玉県名発祥の地その2

埼玉県名発祥の地 らしい。

「埼玉県名発祥の地 行田」おぉ、実はいきなりすごいところに来てしまったのか。しかしそう言い放つ由縁は何か。時計を眺めても時刻しかわからないのであまり気にせず十万石本店を目指す。

十万石本店の位置は一応出発前になんとなく地図で場所は確認しておいた。しかし初めての地に来たことで、ただでさえ麻痺している方向感覚が更に麻痺、感覚無しに等しい状況。地図は印刷したりはしていないのですぐ確認できない。寒いし、できれば遅い昼食をとりながら地図チェックをしたいところだ。あたりを見渡すと、食堂らしい店はいくつかあるのだがどこもお休み。唯一営業(しかも24時間)していたジョイフル行田店に入った。

ジョイフルなんてファミレス初めて見たなと思ったら神奈川には1店もないらしい。そのジョイフルでは「中華風豚やわらか煮丼」(¥700)とホットコーヒーを注文‥‥をっ、注文をとるウェイトレス(高校生くらい)の眼鏡のレンズが厚い!埼玉は厚レンズ眼鏡っ娘の宝庫なのか!?その筋の人は埼玉へ集合!

豚やわらか煮丼がやわらかく煮られている間にVAIOを立ち上げて十万石本店の地図を再チェック‥しようと思ったら豚やわらか煮丼の方が先に出来てきた。起動遅しVAIO。先に食事を済ませ、地図とついでに行田市からの帰りルートを確認して店を出る。


十万石本店は国道125号線沿いとのことで、国道があると思われる方向へ歩を進めると、道の端々に下のようなプレートが貼られていた。


浮き城のまち行田

浮き城のまち でもあるらしい。

埼玉県名発祥の地であり、浮き城のまちでもあり、こうなるともう2〜3キャッチフレーズがありそうな勢いだ。「眼鏡のレンズが厚いまち」とか(行田だけじゃねぇ)。ところで浮き城って何だろう。と思うなら調べろよ。


しばらくして国道125号線らしき道に出た。たぶんここだろうなぁ‥と歩きつづけると、十万石のマークらしいものを看板に掲げるビルを発見!ついに到着か!?


スリーハート

スリーハート とは十万石の洋菓子専門店(だと思う)。

‥と思ってよく見たら「スリーハート」という店だった。系列店であることはマークからわかるが、これはどうも十万石本店ではないようだ。そもそも本店はビルではない筈。一応店内の様子を外から伺うと、ケーキの類しか売っていないみたいだ。十万石って洋菓子もやってるんだとはじめて知った。

ひとつ学んで間もなく、本店らしき建物を発見!電柱の番地表記もほど近い。ついに十万石本店にたどり着いた。


十万石本店その1 十万石本店その2 十万石本店その3

十万石本店の由緒正しきたたずまい。
悪天候にもかかわらずお客さんがひっきりなしであった。

感動を後回しにして即座に入店。季節がら桜餅なども売っていたが、目的はもちろん十万石まんじゅう。しかしここも明美さん同様数組の先客がいたので、しばし店内を見渡す。

入口から右手のカウンター奥には、棟方志功による「うまいうますぎる十万石饅頭」の書が掲げられている。十万石まんじゅうの箱も、12個入以上は志功の画が描かれている。更に奥には「一期一会」の書。こちらは誰の書かわからなかったが、まさに和菓子の心。ところで一期一会は市毛良枝に似ている(笑っていいとも10年以上前のネタの受売り)。そして入口から左手のショーケースには洋菓子が。本店でも洋菓子を売っていた。客層は、洋菓子に若カップル、和菓子にご年配とクッキリわかれていた。


さて、私が購入する番になった。店員には若いギャル(行田ギャル略してギョギャル?)もいたようだが、私の注文を受けたのはおばちゃん。何故だ。で、ここで悩んでしまう。はるばる十万石まんじゅうを買いに来たものの、既に手元には14輌の都電もなかがある。この上饅頭をいくつも買ったら家中甘い物だらけだ。会社で「おみやげで〜す」とかいって配るには中途半端な数だし、もし真面目にそうするなら相当な荷物になってしまう。うぅむと考えていると、目の前に何やら古谷三敏の絵が描かれた箱が。


あんころ家族

「あんころ家族」パッケージイラストは古谷三敏。

あんころ家族中身

あんころ家族中身。
赤福みたいだとかみさんは言っていたが、私は赤福を食べたことがないのでよくわからず。

あんころかぞ〜く〜♪(←アンドロメロスの節で)このイラストが気になってしようがないので「これってどんなのですか?」と聞いてみた。するとおばちゃんは無言で箱のふたをあけ、中身を見せてくれた。うまそう。瞬時にこれを購入することに決定。しかし先程から悩んでいる甘い物インフレ問題が頭にあるので、必須購入物件である十万石まんじゅうは必然的に少ないものになり、結果5ヶ(袋入り)にした。おばちゃんは、饅頭の箱同様志功の画が描かれている紙袋に‥は包んでくれず、フツーのポリエチレン袋に入れてよこした。

買い物を済ませて退店‥‥‥しかし店の前でじっと考える。本当にこれでいいのか?わざわざ行田まで十万石まんじゅうを買いにきたのに、肝心の饅頭はたったの5ヶ。しかも志功の箱も袋も入手していない。ここまで来た意味がないではないか。

やはりここで引き返す訳にはいかない。甘い物だらけが何だ。全部喰ったるわ!!‥とは思わず誰かにあげようということにして、再度入店。そして志功の箱で最少個数の12ヶ入を購入。更に紙袋に入れてもらいたいがために、先程購入したものも一緒に包んでもらう様に頼む。


十万石まんじゅう12ヶ入その1

十万石まんじゅう12ヶ入の箱。

十万石まんじゅう12ヶ入その2 製造年月日

小判のように並ぶ十万石まんじゅう。おぬしも相当の悪よのう。
右は本店で購入したよの証。

まぁ紙袋は頼めばもらえたかもしれないけど、これでいいのだ。ちなみに2度目に注文を受けたのもさっきと同じおばちゃん。他にたくさんいるのに何故だ。特にギャルじゃないのは何故なのだー!!‥どうもギャルは主に洋菓子担当だったようだ。

複雑な心境で退店。まぁ店員さんのことはいいとして、買い物はこれで満足。満足というか余計に買い過ぎている。ちなみに、都電もなかの大半は翌日の日曜日(4/1)に出勤した人の残業食に、5ヶ入の饅頭は普段お世話になっている先輩におみやげとして渡した。あとは全部我が家で消化。

行きは探しながらだったので少々時間がかかったが、帰りは迷わず駅に直行。場所がわかっていれば、行田市駅から徒歩6〜7分といったところか。


【遠い遠すぎる行田】

志功の紙袋を片手に行田市駅に戻る。駅にあったコカコーラの自動販売機に、めずらしいものがあったので思わず購入。


Qoo 250ml缶

Qoo 250ml缶(アップル)。はじめて見た。

こういうのを見るとものすごく遠くに来た気がする。でもこの時は、正直それ程遠くへ来ている感覚はなかった。さて帰りの切符を購入‥しようと思ったら、券売機でやたらとオッケーオッケー言う少女(中〜高生くらい)が切符を購入していた。行き先を確認してオッケー、お金を入れてオッケー、切符が出てきてとどめのオッケ〜〜てな具合。どうやら行田に住む友達の家に遊びにきて、これから帰るところのようだ。行田の友達が見送りに来ていて、ここでサラバイ(古)と。そのあまりのオッケーぶりに、行田ではいまオッケーが流行っているのかと勘違い。桶が流行しているのかも←その方が勘違い。


[2001/03/31(土) 行田市→熊谷]
 行田市 16:01発
  ↓ 秩父鉄道線 三峰口行(各停)
 熊谷 16:10着 ¥300

熊谷は新幹線も止まる駅だけあってなかなかデカい駅。新幹線で帰ろうかと思った。しかしよく考えて見れば、新幹線も止まる=相当遠いということか。でもまだこの時は遠くにいるという実感が沸いていない。


[2001/03/31(土) 熊谷→横浜]
 熊谷 16:22発
  ↓ JR高崎線 上野行(普通)
 大宮 17:01着
 大宮 17:02発
  ↓ JR京浜東北線 大船行(普通)
 横浜 18:27着 ¥1620

行田のジョイフルで検索した帰り道は、ほとんどJRでブチぬき帰還が一番楽な様だった。乗車時間が長いと眠れる。高崎線はこのとき乗客も少なめで、またこの天気なので尻の暖房がよくきいていて、すっかりうたた寝していた。

大宮のちょっと手前で目がさめると、既に30分近くが経過。で、大宮駅到着時に、結構すいてる大船行きの京浜東北線が見えた。最初は高崎線で上野まで行くつもりであったが、ここで乗り換えた方が座りっぱなしで行けそうな気がしたので、シビアな乗り換え時間をダッシュで乗り切る。苦労の甲斐あって大宮から座っていけた。

‥が、ここからが長かった。さすがに京浜東北各停で大宮から横浜はホントに長い。高崎線でわりとグッスリ寝てしまったため、京浜東北では全然眠れなかったのだ。都心に近づけば混雑してくるし、いかな座っているとはいえ腰が疲れてきた。

大宮を除いても34駅、実に1時間半近くの乗車に耐え、ようやく横浜に到着。ここであらためて「今日はものすごく遠くに行ったんだ」と感じた。と同時に、同じ道のりを行くにしても適度な乗り換えをした方がかえって疲れない場合もあると学んだ。ちなみに横浜についたら雪 or 雨はやんでいた。

横浜では別件の用事があったのでそれを済ます。それで少々タイムラグがあって↓こんな時間。まっすぐ帰っていたら大和に19:00頃にはついていただろう。にしても遠かった。


[2001/03/31(土) 横浜→大和]
 横浜 20:16発
  ↓ 相鉄本線 海老名行(急行)
 大和 20:37着 ¥250

【3/28,3/31と関係なく購入したカードは‥】

3/23に購入したMETRO四季を走る 冬柄は、いままで購入してきたカードを使い切ってしまったのでフツーに買ったものだ。せっかくだからおもしろい柄をと思ったもののこれといった柄が売っておらず、かといって他を探しに行く暇もなかったため。でもこの時、「営団は月毎に数種の柄を出してるんだ」ということをあらためて知る。

そんな訳で4月に入って営団の発売スケジュールをチェックしてみると、京急と埼玉高速が追加された新全社柄(19社版)が出ると!5,000円カードだけどこれは買わねばという訳で4/2に購入。この柄って他社でも発売されてるのかな、と思い後日何社か調査したら、都営・西武で確認。こちらはどちらも1,000円の様子。

3/28には買わなかった東急東横線特急に関する記念カードもぼちぼち売り切れの貼り紙が目立つようになってきた4/6、用事で東横線を使うついでに記念(台紙付)ではないけどおそらく期間限定であろう特急デビュー柄を渋谷駅の券売機で購入。東急では先日au柄を買ったが、いわゆる広告柄を多く出しているみたいだ。券売機ごとでいろんな会社の広告カードを売っていた。全部集めるつもりはないものの、おもしろい柄があったら買っていきたい。でも渋谷とか横浜では売ってるけどどちらも普段降車しないんだよなぁ。


【舞浜リゾートライン開業の頃にはNext Stageか?】

このぶらり旅も次第に本格的な旅といっていい程遠くへ行くようになってきた。それもまたよし。さて、純粋に「導入全社のカードを購入」という目的からいくと次回は舞浜リゾートラインが開業予定の今秋である。でもきっと、その間に何度もぶらりするだろうし、今回のような遠方へ向かう企画も既にいくつか考えている。だから次回の具体的な時期は未定としておくが、タイトルは決めようか。「ぶらりパスネットの旅 反ディズニーの俺が乗る篇(仮称)」は今秋予定。お楽しみに。