時期尚早

最近「おサイフケータイ」を使ってコンビニで買い物をしている人をようやく見かけるようになった。先日は高校生が、今日はサラリーマン風の男性が、レジのEdyリーダ部に自分の電話機を置いていた。「おサイフケータイ」が世に出てからしばらくたつが、いよいよ普及しはじめたのかな?と思わせる光景だった。

Edyについて言えば、新しい物好きの私は、コンビニampmで利用できるようになった頃に速攻でEdyカードを購入。ほどなくしてPaSoRiを入手し、インターネット経由でチャージできる様な手続きを済ませ、そのうち持ってるクレジットカードにEdy搭載版が出たってんで早速切り替え、今に至っている。つまり今のところ、ICカードの形状をしているEdyを使っている。これまで何事も出たらすぐ対応してきた私、「おサイフケータイ」についても例外ではない筈。でも今のところ、携帯電話についてはiモード FeliCaな機種に変更はしていない。上記のような利用されっぷりを見た場合、いつもならもういてもたってもいられず、その足は新宿西口駅の前あたりに自然と向かい、心情的には必然的ながら行動的には衝動的に(的多いな)機種変更しているに違いないのだが‥まぁ今は西口へ行ってもゲーセンによるくらいである。何故なのか?一体どうしたのかオレ!?

‥と自分の心情がわからないほど多重人格者でもないので有り体に話すと、購入しないのは、それほど「おサイフケータイ」の必要性を感じていないからである。iモード FeliCaについての注目度は自分としては非常に高く、名前を聞いた時からなんとなく追いかけてはいる。いつも利用しているSuicaもEdyも、一台の携帯電話に取り込める!?はじめて聞いた時は、その機能と将来性の高さにそれはそれは胸踊らされたものだ。しかしいざ発売された段階を見てみると、主立った利用価値というとEdyくらいである。Edyならカードでこれまでも利用してきているし、そのカードが邪魔だと思うことも今のところない。いま使用している機種と、iモード FeliCa(というかEdy)以外の機能にこれといった違いのない新モデル(しかもFOMAについては1モデルのみ)に変えるかというと、変えないだろう。だからコンビニで携帯をレジに置く姿を見たとしても、そんなにモジモジしないで済んでいるのである。

と、私が買わない理由はこんなところだが、実際売れているのだろうか?最近になってようやく見かけるくらいだから、出足は鈍いようである。そのへんのところが気になったのでケータイWatchを見てみたら、少し前のものであるが法林岳之氏の「ケータイ・イズ・ノット・イナフ」に興味深い記事があった。詳細は記事を読んでもらうのが一番だが、このページがいつまでもあるかはわからないので、「どうも販売状況が芳しくない理由」の部分をまとめてみた。ところでこのページの法林岳之氏の写真が長州力に激似だと思うんだけど、それはまるで関係ない。

  • 多くのICカードのように一枚のカードにひとつのサービスが提供されているのではなく、端末一台で多機能が利用できてしまうため、破損や紛失時のリスクが大きい。
  • 「おサイフケータイ」というフレーズから、端末の重要度のイメージがあがってしまい、購入を躊躇してしまう。
  • iモード FeliCaに含まれる情報は、NTTドコモとして一切保障しない=iモード FeliCa上のサービスに関することは、サービスプロバイダ(例えばEdyならビットワレット)が担当 という内容が一見理解しにくく、端末購入時に販売店から「ドコモは保障しないよ」と言われて不安になる。

落として壊したり、無くしてしまったとしても、まぁ新しいの買っときゃいいか〜 ってな気軽さも、今日の携帯電話の普及の要因の一つだと思う。「おサイフケータイ」はその気軽さが削がれるイメージを醸し出しているというのは、迷わず同意見だ。私は携帯電話を「絶対なくしてはいけないもの」と位置づけているので、「おサイフケータイ」でなくても相当大事に扱っているつもりだ。しかし故障とかは防ぎきれない問題だし、端末の付加価値があがることで、とっつきにくくなっている感があるのはどうにも否めない。

普及しない理由として他に「身近に利用できる環境がない」もあるだろう。私は青山一丁目駅近くに勤めているのだが、ここの駅ビルにeLIOでおなじみのソニーファイナンスがある。だからかどうかは知らないが、Edyを利用できる店が異様に多い。駅前にampmが三軒もある上、改札前のサブウェイでも使えるし、本屋でも使えたりする。ここまで環境が整っていると、Edy使ってみるかという気にもなろう。しかし、私の自宅のまわりではEdyを利用できる店が一軒もない。かろうじて車で10分くらいのところにampmが出来てくれたが、それだけである。そんな状況では、せっかくの電子マネーも無意味である。きっと地方に行けば行くほどそんな状況は顕著なのではなかろうか。

時期尚早、要するに様子見の段階であるのは私も世間も変わらないようだ。何事もそうだが、優れた技術も使われ方次第である。せっかくだから広く普及するといいと思う。モバイルSuicaが使えるようになる頃、またチェックしてみたい。それにしても私は携帯を機種変更したくてたまらないんだけど、いいのがないんだよなぁ〜。誰かが使ってるのを見てモジモジしてしまうようなのが出ないだろうか。「モジモジケータイ」つーか<文字しか扱えなさげ