ぶらり前夜祭 思い立ったら吉日の巻

(↑上の日付は旅行日を示しています)
2001/05/07 初版作成

【今明かされる2/10以前の秘密】

いや別に秘密なんてないんだけどね。「ぶらりパスネットの旅」ページ独立を機に、初めて旅をした2/10より前のエピソードを書く気になった次第。特に前夜祭ともいうべき2/9は、明くる日以降に続く旅の出鼻をくじくような幸先の悪いスタート(笑)。しかし、今思えばそれも貴重な経験であった。

ちなみに本文中の写真は2001/04/08,09にあらためて撮影し直したものである。


【初めて自分で購入する『パスネット』】

「パスネット」が開始された2000/10/14当日。ヌル鉄である私もヌル鉄なりに「あぁ今日なんだな」と意識はしていた。しかし、導入路線を利用しているとはいえ通勤定期があり、勤務先からはSFメトロカードが支給されていたような状況で、あらためて自分でカードを買おうという気は全くおこらなかった。そんなことより「支給されているカードが家のそばでも使えるようになっちゃったんだけど、会社的にいいの?」とか、そういう現実的な問題が気になっていた。ちなみに、しばらくして会社からのカード支給制度はなくなり、余計な心配はいらなくなった。

そんな私がはじめて自分で「パスネット」カードを購入したのは2000/12/10のことである。この日私は新幹線で大阪へ行くことになっていた。その日の朝、相鉄大和駅から新横浜へ向かう時にはたと気付く。「そうだ、相鉄も市営地下鉄もパスネット導入路線だ。相鉄のカードを買えばそのまま市営地下鉄でも使えるじゃん」横浜の乗り換え時に切符を買う時間も惜しい気がしたその時、私ははじめてパスネットカードを購入した。その時は、まさか数ヶ月後には導入全社のカードを購入するに至るとは夢にも思っていなかったので、その季節っぽい柄のものを購入。おかげで横浜ではサクサクと乗り換えすることができた。


その便利っぷりを堪能したものの、1000円カードなのであっと言う間に使いきってしまう。次に購入したのは2000/12/27。暮れも押し詰まったこの日、用事で六本木へ行った際に購入。この日ははじめて大江戸線で六本木に出てみた日でもあり、「ホームが深い」と言いつつものめずらし気にあたりを見回していたら、切符売り場にいわゆる全社柄が売られているのも発見、実は前から欲しかった柄だったので即買いした。導入直前からポスターなどでよく見かけた柄なれど、身近で売っているのを見かけなかった。それで念願の購入となった訳だ。ところで大江戸線の六本木駅は黒と金が基調の色で彩られている。どこかでOLさんたちが「趣味悪いよねー」と話していたが、わりと同感だ。


六本木駅

都営大江戸線 六本木駅のホーム。駅全体がこんな色調。ゴージャスね。


【各社の「愛称」状況をなんとなく把握しはじめる】

年が明けて2001年。21世紀を迎え、何か新しいことをしたいとは微塵も思っていなかったが、その頃、購入した使用済みの2枚のカードを眺めていてあることに気がついた。「パスネット」という名称を公募までして決めたのに、相鉄は以前からあった「ぽけっとカード」に「SF」がついた「SFぽけっとカード」という名称がついているようだし、都営はこれも以前からの愛称「TCard」で呼んでいるようだ。どうも、カードの規格はパスネットで共通なれど、それぞれの会社・局で独自にカードは作っているようだということに気がついたのだ。

ちょうど12/27に購入したカードも使い終わった2001/01/18、じゃ今度は営団のカードを買ってみようということで勤務先最寄駅の青山一丁目駅でコガラ柄を購入。やっぱり営団はSFメトロカードという名前のままだった。


青山一丁目駅入口 青山ツインビル

(左)青山一丁目駅入口のひとつ。(右)駅ビルである青山ツインビル。

なるほど、ということは法則に従っていくと小田急は「SFロマンスカード」だな!?と思い、2001/01/23 会社帰りに大和駅の券売機で全社柄を購入‥‥あれ?ロマンスカードって書いてない。つーかその手の愛称は何も書いてない。そういうケースもあるのか。それはそれで別にかまわないのだが、私は個人的に小田急の「ロマンスカード」という名称が非常に気に入っていたので、なくさないで欲しかった。しかしロマンスカードはパスネット導入と共に廃止されたのだ。嗚呼ロマンスカードよ永遠なれ。ロマンスカード、使用済みなら持ってるんだけど。


じゃ東急はどうだ、という訳で 2001/01/26 、今度も会社帰りに中央林間駅の券売機で車両柄を購入。東急も自社独自の愛称はなかった。


中央林間駅

東急 中央林間駅。林間だけに、文字の間の木が邪魔。


【導入全社・局のカード購入を思いたった日】

小田急、東急のカードを購入したあたりで既に、「導入全社・局が発売するカードを、会社・局別に1種ずつ買おう」という気持ちがふつふつと沸いていた。しかし「北総」とか「東葉高速」とか、聞いたこともない路線がどこにあるかも知らなかったし、名前から千葉の方だろうと想像しても行く予定などまったく無く、「まぁ、いつか用事ができることもあるだろう」と呑気に考えていた。

しかし2001/02/09(金)、事件は起こった。いや、自分で宣言しただけのことだから事件でも何でもないな。


勤務中、自席で購入した小田急の全社柄を眺めながら「新京成ってどこを走っているんだろう」などと考えていたら(仕事中に何してんだ)、先輩が仕事の用事で話しかけてきた。

仕事の内容を話し終えたところで、今度はこちらから話題をもちかけた。

私「ところで先輩って所沢の辺りにお住まいなんでしたっけ?」
先「そうだけど?」
私「あの‥多摩モノレールってご存じです?」
先「知ってるよ〜。なんかね、俺がガキの頃から工事してて、ようやく出来たんだよね」
私「(興奮気味に)乗られることってあります!?」
先「乗ることはないけど‥行こうと思えばすぐ行けるよ」
私「そしたら、覚えていたらで構わないんですが、多摩モノレールの駅へ行って多摩モノレールが出しているカードを買ってきてくれませんか??」


そう、この時は全社・局のカードが集まればよかったので、私の自宅から遠い路線は、近くに住んでいる人に買ってきてもらうのも手だと考えていたのだ。


先「へ??」
私「いや実は‥(全社・局のカードを集めている旨を説明する)」
先「なるほど、多摩モノレールで買っても営団とかで使えるし、無駄にはならない訳だね」
私「そうそう、なんか遠くで買ったカードを身近な駅で使うと不思議な気分になりそうじゃありません?」


そこへ、この話題を聞いていたもっと偉い人(笑)が話に参加してきた。


偉「何、シマヤンってそういう趣味があったの?鉄道マニアだったの?」
私「い、いや‥結構好きなんですけど全然詳しくなくって。ホラ、『北総』なんてどこの電車か知らないし。ご存じです?」
偉「北総ったら‥‥総の北だから‥千葉の北の方だろうに」
一同「読んだまんまじゃないですか!(笑い)」


会社でのおもしろトークはこんなところで終了、一応先輩に多摩モノレールのカードを頼んでその場はお開きとなった。が、ここでのやりとりが私を目ざめさせる。自分のしていることを公言したから‥といって経過や結果の報告義務がある訳では全くないのだが、他人に宣言したことによって「やっぱり自分の足で全部買いに行くべきだ」と思うようになってきたのだ。

思い立ったが吉日。熱が冷める前に、路線図とにらめっこして購入ルートの検討をはじめた。そして、この日(2/9)は会社帰りに行ける京王と横浜高速、翌日の2/10に多摩モノレール(もし先輩が買ってきてくれても使えばいいので無駄にはならない)、2/11は実家に帰る予定だったのでその翌週の2/17あたりで残り9社をまわる日を設定しようと決めた(実際は2/11にぶらり旅を決行)。


【旅0日目その1:写真は渋谷マークシティではありません】

渋谷駅

京王の渋谷駅がうまく撮影できなかったので東急・JR 渋谷駅。

興奮状態で会社を出、まず渋谷駅に到着。後に何度も足を運ぶことになる京王線もこの時は「いや〜近場にあって楽チン楽チン」と楽観視。何も考えず全社柄を券売機で購入、次の目的地へと向かう。というのも、みな家路に向かう時間帯ですごい混雑なのだ。渋谷マークシティへ行ったのはこれがはじめてだった訳だけど、のんびり見物しているのもためらわれた。


【旅0日目その2:出鼻をくじくこどもの国線】

渋谷から田園都市線に乗り、長津田駅で下車。終電に間に合わずここからタクシーで帰ることもしばしばの私だが、こどもの国線のホームに向かうのははじめて。

当初は、長津田駅に横浜高速のカードが売られているとしてここで購入後帰宅となる予定であった。しかし、こどもの国線のホーム手前にある券売機では東急のカードが売られている。あら?‥ま、まぁここは東急田園都市線の駅でもあるし、そういうこともあるよな。しかしなんか嫌な予感が‥

とりあえず、確認するためにこどもの国駅まで行ってみることにする。ところで改札がないぞここ。降車駅で清算とな‥まぁパスネットカードがしこたまあるのでそのまま切符を買わずに乗ってみた。


こどもの国駅

横浜高速 こどもの国駅。
最初に行った時は夜だったので真っ暗でした。

横浜高速車両

また地味なアングルから撮影する横浜高速の車両。

2駅しかないので素早くこどもの国駅に到着。「降車駅で清算」ということなので、入場刻印のないカードを精算機に入れてみた。ら、「清算の必要はありません」と戻ってきたので、そのまま自動改札に入れてみた。すると入出場が同時に刻印されて出てきた。いきなり特殊ケースに遭遇。

当日はあたりも真っ暗で、どこにこどもの国があるかもわからず。そんなことよりカードだ‥と券売機周辺を見回してみる。


こどもの国駅券売機

こどもの国駅では東急のパスネットを売ってるよの図。

‥‥東急のカードを売ってる‥‥。なぜそうなのかの理由は後日判明したが、この時は猛烈にガックリした。思い立った勢いではるばるここまでやってきたのに‥って会社からの帰り道にちょろっと寄り道しただけじゃん。まぁ、せっかく来たんだから買っとこう、という訳でこどもの国駅で購入した証が印刷される東急全社柄を購入。こどもの国は略して「こ国」なのね。この後、そのまま長津田駅に戻って帰宅。入場時も入出場が同時に刻印された。


【そんなこんなではじまった『ぶらりパスネットの旅』】

いきなり予想外の状況にみまわれた前夜祭。しかしここでの、「ちゃんと調べもしないで行くとうまくいかないこともあるよ」という経験が、2/11の新橋や西船橋、新鎌ヶ谷でのアクシデントも冷静に対処する心構えとなったと思う。でも京急の時は慌てたな(笑)。

ちなみに、多摩モノレールの件を頼んだ先輩は2/10〜11には行けなかったようで、翌2/12に「結局自分で買いに行きました」と報告した。ら、驚いていた。